僕が森達也さんの本を読むようになったのは、2年位前に会ったドキュメンタリー制作のディレクターの方に会ったのがきっかけで、彼は直接誰かの事を勧めていたわけではないのだけれど、ドキュメンタリーに興味をもち、読むように。彼は最近死刑制度についてかなり書いていますが、この「きみが選んだ死刑のスイッチ」は中学生以上が読めるようになっていて、裁判員制度についてわかりやすく読むべき本だとおもう。無罪推定原則という耳慣れないけれども当たり前のことにも言及している。まだ容疑者の段階でメディアが顔写真や氏名、職業等をいっせいに報道するのが、世界標準からすると異常である事。いろいろ気付かせてくれる。
死刑については存置論と廃止論と双方の言い分は両方とも正論と僕は思うのだけれど、今のところなくなったほうが良いと僕は思います。
彼はこの本の中で、無自覚になるな!と言います。
そして僕は彼の著作を読む度に、考え続けろ。疑い続けろ。と言われている気がします。
彼はこの前にかいた「死刑」という本でも存置、廃止を明確にしていない(と僕は感じる)のだけれど、一貫していることがあって、少し無断で引用。
死刑存置論者は、「(加害者の)命を持って罪を償わせろ」と言う。そして廃止論者は、「(加害者を)生かして罪を償わせるべき」と主張する。ならば僕は言う。どっちもまちがっている。
なぜなら人の命は戻らない。もしもあなたが人の命を奪ったのなら、何をしても何をやっても、絶対に償うことなどできないのだ。だから人は人を殺してはいけない。どんな理由があろうとも。

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